2012.11.17

マシンガンプリーチャー

麻薬と暴力に囚われた主人公サム(ジェラルドバトラー)
刑務所から出所しても反省する事なく暴力に身を任せる、
妻の信仰心によりサムの心にも変化が訪れる、
アフリカの内戦地域で被害にあう子供達を救うために教会を作ろうと,

物語の始めにサムの住む街に嵐がやって来る、
家族を守ろうとするサムは、トレーラーハウスの床下に妻と娘を避難させ、
その上に覆いかぶさる。娘を安心させるためにしりとりをしながら、

普段は家族のことなど顧みない様子でも、家族に危険が迫った時には身を投げ出す。

そんな行動が、一見暴力だけに支配されているかのようなサムの本能なのでしょう、

マシンガンを手にアフリカの子供達を助けるために奔走する、
子供を助けるためにゲリラを殺す、
その手段は賛否が分かれるのですが、
目の前に起きている不幸に目をそらさずに、手を差し伸べる事がいかに大変か、
サムのエネルギーには圧倒されます。

この物語は事実に基づいていてサム・チルダースは今も活動しています。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

2007.07.08

トゥモローワールド またまたマイケルケインが!

もしもこの世の中に子供がいなかったら、
それは希望のない殺伐とした世界でしょう。

トゥモローワールド 監督アルフォンソ・キュアロン

映画を観るときにいかにその虚構の世界に感情移入出来るかが楽しめる鍵でしょう。
この作品の世界では18年間も子供が生まれないという状況が描かれています。
もしもそんな事態になったら人間は希望を持って生きてはいけないでしょう。

普段当たり前に存在する未来への架け橋があるときからぷっつりと途絶えてしまったとしたら、
この映画のように人々は争いと、過去への郷愁のみ依存するようになっても仕方ないのでしょう。

暗いテーマの作品ですが、コミカルな面とシリアスな面が交互に描かれていて
それがより現実味を感じさせます。

主人公も周りも滑稽な人間ばかりです。
主演のクライヴ・オーウェンの描かれ方もヒーローとしては扱われていません。
逃亡中に靴を失いビーチサンダルしか履けないというなさけない場面も、、

長回しのカットの場面が多いのですか、
どれも良く出来た絵なのでうっかりするとその緻密さにも気づかないほどです。
まるでドキュメンタリーの一場面のようでもあります。
圧巻なのはラスト近くの戦場での場面です。
ビルに入る主人公テオを追うカメラはカットを変えることなく延々と砲撃され、銃弾の中をさまよう様子を写します。
この撮影にはいったいどの程度の準備が必要だったのかと驚かされます。

未来世紀ブラジル
に似た雰囲気を持った作品ですが、
トゥモローワールドのほうがブラックユーモアを前面には出していません。

主人公テオを助ける友人としてマイケル・ケインが出演しています。
でもその風貌からは最初は彼とは気がつきませんでしたが。

映画評で名優(マイケル・ケインのこと!)がおかしな役で出演していて気の毒と書かれていました。
マイケル・ケインはイギリスを代表する名優でサーの称号も得たほどです。

しかしこんな役を彼が演じるのは決して不思議なことではありません。
なにしろこの役者は役を選ばないんですから。
それなければ ポセイドンアドベンチャー2、ジョーズ87復讐編、オースティンパワーズ、なんて出ないはずです。
なにしろジョーズの撮影でアカデミー賞を欠席したほどですから。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

憑神(つきがみ) 

ポスターのイメージではかなりコメディ調の作品のようです。
180
しかし浅田次郎原作の物語は結構しんみりさせられる内容です。

憑神 監督降旗康男

出世を祈る稲荷を間違えたため
3人の災いの神(貧乏神・疫病神・死神)にとりつかれる下級武士、別所彦四郎。
演じるのは妻夫木聡です。
彼を取り巻く人物と災いの神との交流にはさわやかさを感じます。

貧乏神を演じる西田敏行はうまいですね。思いっきり笑わせてもらいました。

監督(降旗康男)原作(浅田次郎)撮影(木村大作)ともぽっぽやと同じ面子です。
ぽっぽやでは主人公の鉄道員乙松が亡くした娘が成長しながら3回(3人)現れます。
そしてこの作品では3人の神が現れます。
最後に現れる死神の少女(もっとも実際には百年以上も生きている神です)はぽっぽやに通じるものがあります。

自分の命を奪うために現れた死神に好意を寄せられ、
別所彦四郎もまたそんな死神に対し不思議な連帯感を抱きます。

疫病神に出会い自分の生きる意味に気がついた別所によって、厄病神たちの行動にも変化が起きます。

浅田次郎の作品の持ち味であるこんな設定をくさいと感じるかそうでないかで評価が分かれます。
しかし私はこんなところ(現実が殺伐過ぎているからなお更)をせめて映画の中では感じたいと思います。

エンドロールで米米クラブの軽快な音楽(御利益)にのって出てくるスタッフ、キャストの文字は本人の直筆でした。それぞれの筆跡を見ながらこの作品に携わった人たちを想像しました。
音楽の視聴はこちらです。

| | Comments (1) | TrackBack (0)

メタポリック無縁 300(スリーハンドレッド)

フランク・ミラーのコミックを映像化した古代を舞台のアクション映画

300(スリーハンドレッド) 監督 ザック・スナイダー 

グラディエイターをさらに過激に描いたような内容です。

テルモピュライの戦いでは剣で切られた身体(腕、足、頭、、、)が次々とスローモーションで飛んでいます。
こんな場面の連続でまるでゲームのようです。

話はまじめですが登場人物のキャラが変わっているのでコミカルにさえ感じます。
特にスパルタ戦士に敵対するペルシア側のキャラが変人のオンパレードです。
巨人兵、忍者、突進するサイ、象、(このサイと象には笑わせてもらいました)

敵の兵士が首をはねられるような場面もCGの進歩のおかげでとてもリアルです。
切断面まで再現されるので参りました。

これに比べれば犬神家の一族の菊人形の件はかわいいものです。

スパルタの戦士たちはパンツ一枚で盾と剣と兜で武装しています。
300人の戦士はみんな腹筋割れまくりです。
こういう作品に出るには身体を鍛えてないとだめなんですね。
メタポリックは皆無でした。

邦画もコミック原作の映画が増えていますがどれもコミックのイメージを忠実に再現できているとは言えないです。
予算の都合でしょうが悲しいです。

主演のジェラルド・バトラーがオペラ座の怪人とは違うイメージでスパルタ王レオニダスを演じています。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

2007.07.01

ディパーテッド 作りすぎ

香港映画インファナルアフェアのハリウッドでリメイクするとこうなります。
ハリウッドでは最近ネタ切れで外国の映画のリメイクか続編、アニメばかりです。

万人にわかりやすい商業ベース作品の大量生産のなりの果てです。
悲しいです。

アカデミー賞4部門に輝いたこの作品もリメイクのおかげで作りすぎ。
監督のマーティン・スコセッシが撮るのだからここまでこねくり回さなければ納得しないはずです。
ねずみだらけでした。
わけがわかりません。

スコセッシ特有の下ネタせりふ、暴力シーンも以前に観たグッドフェローズの焼きまわしの感じです。
主演のディカプリオ、マシュー・ディモンが上品すぎてスコセッシの作風には合わないような気がします。

ネタがなくても大好きな男たちの挽歌だけは絶対にリメイクしないでくださいね、、


| | Comments (1) | TrackBack (0)

2001年宇宙の旅

TV放送を録画した2001年宇宙の旅を観ました。
スターウォーズよりも前にスタンリー・キューブリックが監督したSF映画です。
1968年製作でまだアポロが月にも行ってないときです。
D111904987

ダグラス・トランブルの特撮で描かれた2001年の世界はその時を過ぎた今でも古さを感じません。
はじめてこの作品を観たのは早稲田大学での上映会でした、
すでにスターウォーズを観たあとで、説明を極力省いた演出、
ゆっくりしたストーリー展開に退屈したことを覚えています。

しかし今回作品を観直し、以外に楽しく鑑賞できました。
最近のテンポの早い映画に慣れた自分にはこのゆっくりした映像が妙に気持ちよく感じられたのです。
宇宙船の飛行場面でもじっくりディテールを見られます。
どれもよくできた絵です。

2001年のこの映画の世界ではパンナムの
ロゴをつけた宇宙船が飛んでいますが
2001年より前に会社はなくなってしまいました。
アーサー・C・クラークの原作は宇宙の旅シリーズとして2010年、2061年と続き3001年終局への旅で完結しています。
1917年生まれのこの作家が生み出す想像の世界、
2061年くらいまでは想像できるのですが、実際の3001年はどんな世界なのか、
凡人には考えられない世界もアーサー・C・クラークの頭の中にはその世界が在するのでしょう。

| | Comments (1) | TrackBack (1)

2007.06.30

ダイハード4.0 継続は力なり

前作から12年ぶりに公開されたブルースウイルス主演のダイハード4.0
これはかなり良いですよ。
ロッキーザファイナルもそうでしたがこのところ続編でも楽しませてくれる作品があります。
継続は力なり。

風貌はかなり変わったジョンマクレーン刑事でも不死身ぶりはレベルアップしてます。
上映中に時計を気にすることが一度もない作品です。
そして冒頭から最後まで一気に進む展開であきさせない監督の手腕はたいしたものですね。
ジョンでなければ冒頭10分で間違いなく死んでます。

ジョンマクレーン、
1作目ではテロに巻き込まれた普通の刑事がヒーロー(英雄)になりました。
2作、3作でも超人化が進みます。
そして本作では彼の相棒になるハッカーの若者(ジャステン・ロング)が事件にかかわるうちにダイハードマン化していきます。

監督のレン・ワンズマンは1973年生まれの34歳!
今後に期待です。

| | Comments (1) | TrackBack (1)

2007.01.20

キャッチ・ア・ウェーブ

公開時に劇場で見逃したのでDVDを借りてきました。

キャッチアウェーブ 監督 高橋伸之

波乗りの映画です。
海を題材の映画は海と空が青くなければいかんと思っていますが、この作品は海も空も湘南とは思えないほどばっちり青いです。
撮影したのがハワイ、新島、伊豆だから当然です。
よく観てると湘南じゃない景色がどんどん出てくるのですが
、そんなことを気にしないで楽しんだほうが良い軽い内容です。
昔公開された(波の数だけ抱きしめて)でも舞台は湘南でしたが撮影は千葉でした。
同じホイチョイプロダクション(彼女が水着に着がえたら)も海が舞台でしたが撮影時の天気が悪かったらしく空も海の色もいまいちときめかせてくれませんでした。

竹中直人が演じるデュークという往年の名サーファーが波待ちしてるときに板にまたがらないのがちょっと残念。

主演の高校生を演じる三人組(三浦春馬 木村了 濱田岳)がとても生き生きしてます、
そして加藤ローサも良い。

| | Comments (0) | TrackBack (3)

2006.11.26

16ブロック おやじでも決めるときは決める!

ブルースウイルスといえばダイハードのイメージが強すぎて新作が上映されるたびにキャッチコピーにダイハードが持ち出されてしまいます。

16ブロック 監督リチャード・ドナー 2006年

この作品もそうで、ダイハード×リーサルウェポンがキャッチコピーです。
囚人のエディ(モス・デフ)を16ブロック先の裁判所まで護送する任務についたのが刑事ジャック(ブルース・ウィリス)です。ダイハードのジョンマクレーンとは違い腹の出たアル中の中年です。
こんなさえないオヤジがいったん銃を構えると、格好よく決めてくれます。
囚人の証言を阻止しようと追っ手が二人を狙うのですが、アクションシーンが良いのは監督のリチャード・ドナーの得意なところです。
この作品の良いのはジャックとエディの関係の変化に泣かされるところ。ラストが良かった。

リーサルウェポン(リチャード・ドナー監督)でも一作目で心に傷を持った刑事マーティン・リッグス(メル・ギブソン)と老刑事マータフ(ダニー・グローヴァー)とのやりとりが似た感じでした。
1作目で妻の死によって自殺願望にとりつかれていたリックですが、2作目以降は吹っ切れたのでどんどんコメディ色が強くなりました。

リチャード・ドナーは1930年生まれの76歳です。
ここにもイーストウッドみたいな元気なじいさんがいます。
1987年のリーサル・ウェポンを撮ったときはすでに57歳でした!

16ブロックも歳を重ねた監督ならではの味わいがたっぷりありました。

劇中でエディがジャックに聞きます。
天気が悪い中、自動車でバス停の前を通ったとき、
3人が待っているのを見つける。
1人は親友、1人は老婆、もう1人は憧れの女性。
車には1人しか乗せられない。
誰を選ぶか、、
それによってその人間の本質がわかるとエディは言います。

答えがしゃれていました。

ブルース・ウイルスが銃を構える姿は独特な感じになりますがそれは彼が左利きなのですが利き目は右目なのであの独特な顔を斜めに構えるポーズになります。

| | Comments (2) | TrackBack (0)

2006.06.29

再び新作日本沈没について

映画が気に入ったので劇場公開(7月15日)されたらぜひもう一度じっくり観たいと思っています。
日本沈没は良かったです。
サントラ版CDもまだ発売されていないので(こちらは7/26の発売)7/15の公開までは我慢と思っていたところ
日本沈没大辞典という映画の内容の案内のDVDが発売されていたので早速購入してみました。
アルファベット順で映画の登場人物、専門用語などが説明されています。
映画の予告編、ダイジェスト版が収録されていて旧作の予告編も収められています。
劇場公開まではこのDVDで脳内補完再生することにしました。

昔は映画を見たあとはサントラ版レコードを聞きながらパンフレットを眺めたりノベライズを読んだりして思い出したものです。
そのあとは名画座で再映されるのを待つかTVの映画劇場で放送されるまでじっと我慢でした。
最近は劇場で公開されてから半年も待てばDVDが発売されるのでうれしいのですが、好きな作品を待ちつづけてやっと再会できたときの喜びはなくなりました。

樋口真嗣監督はインタビューで自分ひとりでは今回のような作品内容には仕上げられなかったと言っていました。
旧作に思い入れのある監督だから旧作(オリジナル)に忠実に再現したいという気持ちもきっとあったでしょう。

樋口監督の第一回監督作品 ローレライは興行的に成功を収めました。
この作品は樋口監督の趣味が良く出ていた作品でその点で評価がわかれた事もあったようです。

私はローレライも好きでしたので、ローレライのような作風で撮られた日本沈没もありかなと思っていました。
しかし出来上がった作品はそんな想像とは違う内容になっていました。
前作を意識して観た私ははじめは少しとまどってしまいました。

新作日本沈没は前作を知っていればより楽しめる作品ですが、全く別な作品と考えて観たほうが良いですね。
アルマゲドンからはじまった泣かせるパニック映画(泣きパニ)の路線です。

旧作、新作ともに日本列島が海の底に沈むという荒唐無稽な設定が軸になっていますのでこの世界観で演じられる物語について細かいあら捜しをすればきりがないでしょう。素直に楽しみたいものです。
映画を観ている2時間15分の間画面にひきつけられてしまえば監督の勝ちなのですから。

旧作では大災害への対応として何もしない方が日本民族のためだという問いかけがあり、それでも日本民族を退避させようと努力する人々の群像劇になっていました。
丹波哲郎演じた山本総理の(10000人がだめなら1000人でもそれがだめならば1人でも助けたい)という台詞に良く表れていました。

災害に直面したときの人間の無力さ、結局日本は沈み、海外に進出しても日本民族が戻れる国 日本列島=母親の懐 を失います。
小野寺(藤岡弘)阿部玲子(いしだあゆみ)は避難するときに離れ離れになってしまいます。
それでもエンディングで地球のどこかで太陽を見つめる小野寺の表情には戻るべき祖国を失った悲しみを乗り越えての希望が表れているようでした。
小野寺も玲子も再会することは出来ないでしょう、そして地球のどこかでそれぞれの新しい相手と子供をつくり新しい日本民族の血を継いで行こうとするのでしょう。

一方新作では何もしないほうが良いという台詞は再び語られていますが、田所博士(豊川悦司)のもとで科学技術で沈没に対し立ち向かう人々の勇気が描かれています。
小野寺、阿部玲子の二人、田所、鷹森(大地真央)の二人のパートが交互に描かれやがて大団円へと向かっていきます。
田所博士の場面で繰り返し流れる音楽(岩代太郎)も良くできていて小野寺、玲子のパートのしっとりした雰囲気と違いメリハリがきいています。

ローレライでも主張されていたテーマ(あきらめるな)がこの作品でもとても生きています。
前作になかったカタルシスが新作にはあります。


| | Comments (0) | TrackBack (4)

より以前の記事一覧