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2007.07.08

トゥモローワールド またまたマイケルケインが!

もしもこの世の中に子供がいなかったら、
それは希望のない殺伐とした世界でしょう。

トゥモローワールド 監督アルフォンソ・キュアロン

映画を観るときにいかにその虚構の世界に感情移入出来るかが楽しめる鍵でしょう。
この作品の世界では18年間も子供が生まれないという状況が描かれています。
もしもそんな事態になったら人間は希望を持って生きてはいけないでしょう。

普段当たり前に存在する未来への架け橋があるときからぷっつりと途絶えてしまったとしたら、
この映画のように人々は争いと、過去への郷愁のみ依存するようになっても仕方ないのでしょう。

暗いテーマの作品ですが、コミカルな面とシリアスな面が交互に描かれていて
それがより現実味を感じさせます。

主人公も周りも滑稽な人間ばかりです。
主演のクライヴ・オーウェンの描かれ方もヒーローとしては扱われていません。
逃亡中に靴を失いビーチサンダルしか履けないというなさけない場面も、、

長回しのカットの場面が多いのですか、
どれも良く出来た絵なのでうっかりするとその緻密さにも気づかないほどです。
まるでドキュメンタリーの一場面のようでもあります。
圧巻なのはラスト近くの戦場での場面です。
ビルに入る主人公テオを追うカメラはカットを変えることなく延々と砲撃され、銃弾の中をさまよう様子を写します。
この撮影にはいったいどの程度の準備が必要だったのかと驚かされます。

未来世紀ブラジル
に似た雰囲気を持った作品ですが、
トゥモローワールドのほうがブラックユーモアを前面には出していません。

主人公テオを助ける友人としてマイケル・ケインが出演しています。
でもその風貌からは最初は彼とは気がつきませんでしたが。

映画評で名優(マイケル・ケインのこと!)がおかしな役で出演していて気の毒と書かれていました。
マイケル・ケインはイギリスを代表する名優でサーの称号も得たほどです。

しかしこんな役を彼が演じるのは決して不思議なことではありません。
なにしろこの役者は役を選ばないんですから。
それなければ ポセイドンアドベンチャー2、ジョーズ87復讐編、オースティンパワーズ、なんて出ないはずです。
なにしろジョーズの撮影でアカデミー賞を欠席したほどですから。

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憑神(つきがみ) 

ポスターのイメージではかなりコメディ調の作品のようです。
180
しかし浅田次郎原作の物語は結構しんみりさせられる内容です。

憑神 監督降旗康男

出世を祈る稲荷を間違えたため
3人の災いの神(貧乏神・疫病神・死神)にとりつかれる下級武士、別所彦四郎。
演じるのは妻夫木聡です。
彼を取り巻く人物と災いの神との交流にはさわやかさを感じます。

貧乏神を演じる西田敏行はうまいですね。思いっきり笑わせてもらいました。

監督(降旗康男)原作(浅田次郎)撮影(木村大作)ともぽっぽやと同じ面子です。
ぽっぽやでは主人公の鉄道員乙松が亡くした娘が成長しながら3回(3人)現れます。
そしてこの作品では3人の神が現れます。
最後に現れる死神の少女(もっとも実際には百年以上も生きている神です)はぽっぽやに通じるものがあります。

自分の命を奪うために現れた死神に好意を寄せられ、
別所彦四郎もまたそんな死神に対し不思議な連帯感を抱きます。

疫病神に出会い自分の生きる意味に気がついた別所によって、厄病神たちの行動にも変化が起きます。

浅田次郎の作品の持ち味であるこんな設定をくさいと感じるかそうでないかで評価が分かれます。
しかし私はこんなところ(現実が殺伐過ぎているからなお更)をせめて映画の中では感じたいと思います。

エンドロールで米米クラブの軽快な音楽(御利益)にのって出てくるスタッフ、キャストの文字は本人の直筆でした。それぞれの筆跡を見ながらこの作品に携わった人たちを想像しました。
音楽の視聴はこちらです。

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メタポリック無縁 300(スリーハンドレッド)

フランク・ミラーのコミックを映像化した古代を舞台のアクション映画

300(スリーハンドレッド) 監督 ザック・スナイダー 

グラディエイターをさらに過激に描いたような内容です。

テルモピュライの戦いでは剣で切られた身体(腕、足、頭、、、)が次々とスローモーションで飛んでいます。
こんな場面の連続でまるでゲームのようです。

話はまじめですが登場人物のキャラが変わっているのでコミカルにさえ感じます。
特にスパルタ戦士に敵対するペルシア側のキャラが変人のオンパレードです。
巨人兵、忍者、突進するサイ、象、(このサイと象には笑わせてもらいました)

敵の兵士が首をはねられるような場面もCGの進歩のおかげでとてもリアルです。
切断面まで再現されるので参りました。

これに比べれば犬神家の一族の菊人形の件はかわいいものです。

スパルタの戦士たちはパンツ一枚で盾と剣と兜で武装しています。
300人の戦士はみんな腹筋割れまくりです。
こういう作品に出るには身体を鍛えてないとだめなんですね。
メタポリックは皆無でした。

邦画もコミック原作の映画が増えていますがどれもコミックのイメージを忠実に再現できているとは言えないです。
予算の都合でしょうが悲しいです。

主演のジェラルド・バトラーがオペラ座の怪人とは違うイメージでスパルタ王レオニダスを演じています。

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2007.07.01

ディパーテッド 作りすぎ

香港映画インファナルアフェアのハリウッドでリメイクするとこうなります。
ハリウッドでは最近ネタ切れで外国の映画のリメイクか続編、アニメばかりです。

万人にわかりやすい商業ベース作品の大量生産のなりの果てです。
悲しいです。

アカデミー賞4部門に輝いたこの作品もリメイクのおかげで作りすぎ。
監督のマーティン・スコセッシが撮るのだからここまでこねくり回さなければ納得しないはずです。
ねずみだらけでした。
わけがわかりません。

スコセッシ特有の下ネタせりふ、暴力シーンも以前に観たグッドフェローズの焼きまわしの感じです。
主演のディカプリオ、マシュー・ディモンが上品すぎてスコセッシの作風には合わないような気がします。

ネタがなくても大好きな男たちの挽歌だけは絶対にリメイクしないでくださいね、、


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2001年宇宙の旅

TV放送を録画した2001年宇宙の旅を観ました。
スターウォーズよりも前にスタンリー・キューブリックが監督したSF映画です。
1968年製作でまだアポロが月にも行ってないときです。
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ダグラス・トランブルの特撮で描かれた2001年の世界はその時を過ぎた今でも古さを感じません。
はじめてこの作品を観たのは早稲田大学での上映会でした、
すでにスターウォーズを観たあとで、説明を極力省いた演出、
ゆっくりしたストーリー展開に退屈したことを覚えています。

しかし今回作品を観直し、以外に楽しく鑑賞できました。
最近のテンポの早い映画に慣れた自分にはこのゆっくりした映像が妙に気持ちよく感じられたのです。
宇宙船の飛行場面でもじっくりディテールを見られます。
どれもよくできた絵です。

2001年のこの映画の世界ではパンナムの
ロゴをつけた宇宙船が飛んでいますが
2001年より前に会社はなくなってしまいました。
アーサー・C・クラークの原作は宇宙の旅シリーズとして2010年、2061年と続き3001年終局への旅で完結しています。
1917年生まれのこの作家が生み出す想像の世界、
2061年くらいまでは想像できるのですが、実際の3001年はどんな世界なのか、
凡人には考えられない世界もアーサー・C・クラークの頭の中にはその世界が在するのでしょう。

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