Uボートにあってローレライにないもの
ローレライでの感想を再び、
鑑賞中に潜水艦映画の傑作 Uボート(1981年 西ドイツ 監督 ウォルフガング・ペーターゼン)の記憶がついよみがえってきました。
ローレライで見たかった場面、
夕日を浴びて航行する潜水艦
狭い艦内での乗員の極限状態
乗組員が食事をする日常描写
航海によって汚れていく乗員
ローレライではこれら、潜水艦の中での物語りで描きたくなる(というより描きやすい)場面がありません。
食堂の場面や出演者の顔に無精ひげ、、
これらもあっさりと描かれています。
艦長の帽子も白くまぶしく、
ヒロインパウラにいたっては良い環境とはいえないのに終始美しく可憐に描かれています。
ローレライを見た後にUボートを改めて見てこんな点の疑問や不満が解決しました。
Uボートで既に描かれた前述の描写を樋口監督は意識してローレライでは排除したのではないでしょうか。
物語こそ違うけれど、これらを細かく再現してもUボートの二番煎じになってしまったでしょう。
Uボートでは出航前の艦長や乗員は凛々しいのですが、航海が進むにつれ精神に異常をきたす者、
乗員皆が極限状態で疲労していく。
途中物資補給のやめ寄港した時に、出迎える者にその薄汚れた容姿のため部下が艦長と思われ先に握手されてしまうほどです。
撃沈させた敵艦の乗員が火だるまになっていても救助出来無いこと
潜水し敵からの攻撃をただじっと待つだけの恐怖
水圧で徐々に破壊される船内での様子
こんな状況でたどりついた港で待っていた結末、、、
Uボートが進む場面での勇壮な音楽とは別に物語は戦争の現実を重く訴えています。
戦争での極限状態と敗北が軸になっている点は共通していますがUボートは否定的な結末で幕を閉じます。
ローレライでは敗戦国としての事実は変えずに再生を感じさせる結末になっています。
ファンタジーの要素を持たせることでこの結末が得られたのです。
そしてこのファンタジーの部分を活かすためにはリアルさを押さえても絵のスマートさを優先させることが必要であったのでしょう。



Comments
はじめまして。
色々回っていてこちらにたどりつきました。
それこそ私は「Uボート」と同じようなものを期待して観にいってしまったので敗退して帰ってきました。
新聞のインタビューなどを見ると「潜水艦映画ならではの、閉塞感のなかの群像劇」を書いた遭難ですが…どこだったか私にはわかりませんでした。
かがり かなでさんはじめまして
コメントいただきありがとうございます。
Uボートには比較にならない作品ですね、
しかし私には愛すべき邦画の一本になりました。
Posted by: かがり かなで | 2005.03.12 at 02:22 PM