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2005.03.24

映画 吹き替え版の醍醐味 アルカトラズからの脱出

映画の楽しみは劇場で観るのはいちばんですが、
TVでの吹き替え版も楽しいものです。

広川太一郎、山田康雄さんは私の大好きな声優です。
両者とも2枚目、3枚目とも演じられる役者です。

山田康雄さんはルパン三世ははまり役ですが、しぶいところではクリント・イーストウッドがあります。
ルパン三世の声優たちが揃って演じた映画があります。

アルカトラズからの脱出 監督/ドン・シーゲル 1979年

TV放送時の吹き替えは
主人公クリント・イーストウッドを山田康雄(ルパン)
刑務所長を納谷悟朗(銭形警部)
イーストウッドを助ける黒人の囚人を小林清志(次元)が演じていました。

ルパンファンの私はこの放送をにやにやしながら楽しみました。

山田康雄さんは3枚目のルパンはもちろん渋いイーストウッドもぴったりな声でした。
初期のルパンの3枚目から二の線に変わる時の絶妙な吹き替えは山田さんならではの演技と思います。

山田さんが亡くなってからもイーストウッドは健在ですがDVDが発売される新作の吹き替えが山田康雄でないことはとても残念に思います。

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2005.03.23

TVの映画劇場 スポンサーの問題 Mr.ビリオン

TVで映画が放映されるときに、番組のスポンサーと違う会社(というより競合会社)の商品が本編でなんらかの形で映ってしまう場合があります。

昔TVで第三の男が放送されたときには、スポンサーに自動車会社が入っていたので物語が変えられてしまったほどです。
吹き替えのせりふが自動車事故で死亡する部分が転落事故に変えられたそうです。

昔、金曜にTV放送されていたゴールデン洋画劇場(解説は高島忠夫です)でひどい扱いを受けていた作品がありました。

Mr.ビリオン 監督/ジョナサン・カプラン 1977年米

おじの死亡により莫大な財産を相続することになった主人公グイドをテレンス・ヒルが演じています。
イタリアからサンフランシスコまで相続の手続きのため旅するグイドとそれを邪魔する者たち、、

この番組もスポンサーに洋酒メーカーと自動車会社がついていました。

劇中グイドが乗るのはダットサン(日産)のピックアップトラックです。
しかしこのピックアップの荷台後部のDATSUNの文字は画像処理でぼかされて消されていました。

そしてさらに酒場の場面、テーブルの上にはウイスキーのボトルが置かれています。
そしてこのボトルのラベルがまたぼかして消してあるのです。
ウイスキーはたしかジャックダニエルだったような記憶があります。

スポンサーに配慮しての工作でしょうがこれには興ざめしました。
もっとも作品も大して面白い内容ではなかったのですが。

この作品は上映時のチラシで大陸横断超特急 監督/アーサー・ヒラー 1976年の姉妹編のようなふれこみで宣伝していましたが、スケール、内容ともとても及ばない作品でした。

テレンス・ヒルは好きな俳優です。
彼がヘンリー・フォンダと共演したミスター・ノーボディは最高に楽しい作品でした。
とくにこの作品はTV放送時の吹き替えを広川太一郎があてていて広川節をたっぷり聞かせてくれます。
そして大陸横断超特急でも主演のジーン・ワイルダーは広川太一郎の吹き替えでした。

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2005.03.22

元祖シベ超、野生の証明

BSで放送されていたのを久しぶりに見ました。
学生のころTVで流れる派手なCMにつられ劇場に足を運びました。
このころの角川映画は宣伝が上手でそこそこ費用を掛けた作品作りが話題になっていました。
どれも作品としてはいまひとつなじめないのですが、つい見始めて最後まで見てしまいました。

野生の証明 監督/佐藤純彌 1978年 角川映画

野生の証明も高倉健が主演でなければ大した作品ではなかったでしょう。
終盤、戦車が大量に出てくる海外ロケ場面など原作にはない物語展開ではったりをかませてくれます。
というより原作の小説とは違うものです。
こんな大掛かりなはったりがあるほど映画という虚構の世界は楽しくなるのですが。

改めて見直すと物語が破天荒なのは良しとしても登場人物の行動が支離滅裂でシベリア超特急のもとは一連の角川映画にあったのかと思いました。
そういえばマイクミズノこと水野晴郎がTVの映画劇場で解説をしていた時分、角川映画が放送される回では水野氏がべたぼめしていたことを思い出しました。

主人公味沢(高倉健)は自衛隊の特殊部隊の訓練中にある村で起きた大量殺人事件の現場に居合わせてしまいます。
その後自衛隊を辞めてからも味沢の行動は常に監視されています。
やがて政財界の大物、大場(三国連太郎)のからむ不正事件に巻き込まれた味沢は娘として引き取っていた薬師丸ひろ子とともにかつての自衛隊=特殊部隊に命を狙われることになります。

刑事(夏木勳)は味沢を殺人事件の犯人と思い彼を付回しています。

大場が寄こしたやくざに味沢が襲われたときに斧を投げ渡す刑事、受け取った斧でやくざの頭をぶち割る味沢。
味沢を人殺しと言い手錠をかける刑事(そんな、、)
このとき大場の息子(館ひろし)を人質にした味沢(武器はなし)になぜかやくざたちはまったく手出しできません。

その後刑事は味沢を連行すべく車を走らせるのですが途中悪徳刑事(中丸忠雄)に止められてしまいます。
そしてそこにトラックで現れたのは味沢をずっと見張っていた特殊隊員(原田大二郎)
刑事をマシンガンで蜂の巣にすると、刑事、味沢、ひろ子ちゃんは連行されます。

山の中腹の道路の外側に建てられた如何にもあとでなんか起きそうな小屋に閉じ込められた3人。
原田大二郎は無線で仲間を呼びます。

仲間がヘリで現れるとき小屋に置いてあったくいで味沢に串刺しにされる原田。
その後小屋を抜け出した味沢は小屋を爆破します。(やっぱり、あんな場所に普通小屋建てないよな)

特殊部隊の隊長(松方弘樹)
俺が味沢の始末するけんね、着くまで待ってろ!
と言ったのでしょうが、なんで悪徳刑事もろともマシンガンで蜂の巣にしとかなかったのでしょうか。
と言うより、味沢が除隊した時点で抹殺するべきでした。

この作品がTVではじめてオンエアされた時には途中音声が大分消されていました。
放送禁止用語というより自主規制されていた言葉が大分連発されていましたから。


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2005.03.13

深呼吸の必要 なんくるないさ-

沖縄の離島でさとうきびを刈る話だけで2時間飽きさせないのはたいしたものです。

深呼吸の必要 監督/篠原哲雄 2004年

目一杯働いた後の食事のおいしさが画面から伝わってきます。
昼に食べるおにぎり、
夕食に食べる沖縄料理
そして一日の始まりのあさごはん。

最初は食の細かったものも日が経つにつれてもくもくと食事を口に運びます。
そしてそれをうれしそうに見つめるおじいとおばあ。

沖縄の離島、春先に
さとうきび畑の収穫の手伝い(きび刈り隊)で島をおとずれた年齢の違う男女5人。
それぞれ自分の抱えている悩みを忘れるためにやって来ました。
やがて収穫が終わるころにはそれぞれ自分の悩みを少し解決して成長していきます。
彼らが悩んでいたときおじいは言います。
なんくるないさ-(なんとかなるさ)
もしかだめになってもまた一からはじめればいいさ

毎年やってくる台風に耐えての生活から生まれてくる言葉なのでしょう。

こんな映画を見るとまた南の島へ行きたくなります。
旅行者として数日のみ触れる綺麗な風景、
しかしそこで生活する人には毎年必ず向かわなければならない厳しい自然もあることを忘れずにいたいです。

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2005.03.12

Uボートにあってローレライにないもの

ローレライでの感想を再び、
鑑賞中に潜水艦映画の傑作 Uボート(1981年 西ドイツ 監督 ウォルフガング・ペーターゼン)の記憶がついよみがえってきました。
SANY0108

ローレライで見たかった場面、
夕日を浴びて航行する潜水艦
狭い艦内での乗員の極限状態
乗組員が食事をする日常描写
航海によって汚れていく乗員

ローレライではこれら、潜水艦の中での物語りで描きたくなる(というより描きやすい)場面がありません。
食堂の場面や出演者の顔に無精ひげ、、
これらもあっさりと描かれています。

艦長の帽子も白くまぶしく、
ヒロインパウラにいたっては良い環境とはいえないのに終始美しく可憐に描かれています。

ローレライを見た後にUボートを改めて見てこんな点の疑問や不満が解決しました。

Uボートで既に描かれた前述の描写を樋口監督は意識してローレライでは排除したのではないでしょうか。
物語こそ違うけれど、これらを細かく再現してもUボートの二番煎じになってしまったでしょう。
Uボートでは出航前の艦長や乗員は凛々しいのですが、航海が進むにつれ精神に異常をきたす者、
乗員皆が極限状態で疲労していく。
途中物資補給のやめ寄港した時に、出迎える者にその薄汚れた容姿のため部下が艦長と思われ先に握手されてしまうほどです。

撃沈させた敵艦の乗員が火だるまになっていても救助出来無いこと
潜水し敵からの攻撃をただじっと待つだけの恐怖
水圧で徐々に破壊される船内での様子
こんな状況でたどりついた港で待っていた結末、、、
Uボートが進む場面での勇壮な音楽とは別に物語は戦争の現実を重く訴えています。

戦争での極限状態と敗北が軸になっている点は共通していますがUボートは否定的な結末で幕を閉じます。
ローレライでは敗戦国としての事実は変えずに再生を感じさせる結末になっています。

ファンタジーの要素を持たせることでこの結末が得られたのです。
そしてこのファンタジーの部分を活かすためにはリアルさを押さえても絵のスマートさを優先させることが必要であったのでしょう。

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2005.03.10

ローレライ 燃える映画!

子供のころ東宝の怪獣映画を見るのがとても楽しみでした。
特撮映画のメインは怪獣映画でしたが、後に日本沈没などのパニック映画や戦争ものでも東宝の特撮技術は活かされていました。
東宝=特撮という時代もあったのです。
平成のゴジラ映画がマンネリな内容であきられ、新作の大映のガメラのほうが出来が良くなっていました。
平成ガメラの特撮監督、樋口真嗣の初監督作品は特撮映画の枠を超えた燃える映画です。

ローレライ 監督/樋口真嗣 2005年東宝、フジテレビ
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終戦まじかの日本から出航する特別任務を与えられた潜水艦。
その乗組員たちが日本を守る物語です。

今40代前後の男子たちで子供のころ東宝映画の海底軍艦、TVのマイティジャックに胸躍らせた覚えがあるならこの作品に共感することでしょう。
戦争物の映画(それも過去の第二次大戦)でカタルシスを得ようとしても敗戦した日本軍が主役では無理なことでしょう。
反戦を主張した内容では娯楽作品として成立させるのは難しいです。

ローレライではフィクションと過去の現実をうまく融合させて娯楽映画に成立させています。
樋口監督が関わっていたアニメ(ナディアなど)やガンダムの雰囲気が設定に現れていて、少し間違えばその方面のみに好まれる映画になっていたかも知れません。
もちろんそんなマニアックな作品も否定はしませんが、映画としての成功にはもっと幅広い観客動員は必要と思います。
そして監督のこだわる部分と興行のバランスが本当の成功につながるのでしょう。

ローレライは作品の出来では70点ぐらいと思います。
しかしこの作品が70点を取ったことは日本でもこんな娯楽作品が今後も製作されるきっかけになっと思います。

この作品の成功の一番は艦長を演じた役所広司の力だと思います。
特撮でかかった費用を補うため役者をケチっていたらこんなに魅力のある作品にはならなかったと思います。
艦長役の役所さんはじめ出演している潜水艦のクルーがほんとに良い人(愛すべき人)ばかりです。
いやな奴が一人ぐらいいても良さそうですが、こんな設定がかえって小気味良いです。

この作品がヒロインパウラ(香椎由宇)の魅力にたよった萌える映画にならず燃える映画になったことに拍手します。


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